ETERNAL WIND~永遠に吹く風~

静かな風であっても誰かの癒しの風であれ。。。

保育士の一斉退職について

昨今何かと保育士の処遇改善が叫ばれつつありますが本当ここ数年の話。
安い安いと言われ続けた賃金もやっと少しですが処遇改善手当と言う形で保育士に還元されることになりましたが、それでもまだまだ他職種の平均値に追いついておらず。

sugisi.hatenablog.com

うちはそれでも民間園の中では恵まれている環境の方。他の保育園の保育士さん達はこちらが「えっ!?」と言う様なまるでバイトの様な給料で激務を耐え抜いていらっしゃるのです。
「うちに来なよ~」とよく研修などで半分冗談話をしながら言うのですが、保育士業界って本当ブラックな業種だなあ、と感じてしまいます。

 

 

で、ここからが本題。
給料の待遇も勿論絶対的に改善していかなければならない問題なんですが、こんな劣悪な環境の中でも保育士を続けていく理由はやっぱり端的に行って「子ども達への無償の愛、奉仕」なんですよね。所謂感情労働の最たる職業な訳で、これがなかったら間違いなく保育業界崩壊しています。

そんな足掻きつつ頑張っている保育士さん達の苦しみは、なかなかその業界にいないと見えてこないところも多い訳で。。。そのストレスが溢れ出ると色々な形で保育園を利用している保護者にも影響が出てくるわけでございます。

保育士の退職事由の最たるものの多くが。。。

・処遇の悪さ(低賃金、長時間労働、無給残業、休暇取得の困難等)

なのですが、

・保護者対応(モンスターペアレンツ、モラル低下、過保護等)
・職場内の劣悪環境(職員間のコミュニケーション、上司、先輩等からのパワーハラスメント、いじめ等)

も実はかなりの割合で保育士業界を危ういものにしている所が潜在的に大きい訳であります。

色々な保育士業界に関する考察もなされてはいるものの、どうも片手落ち的な考察が多く、マスコミ等が行う問題提起に関してもいつもズレをいつも感じてしまいます。

                      

保育士等に関する関係資料

…(リンク先参照)保育士等確保対策検討会 平成27年度版より

こちらの資料には現状における保育士業界の改善について業界の改善点を外側からよく考察されていますが、マンパワーの改善点についての評価考察が為されていません。行政の視点での施策では何の改善にもつながりません。

保育を支える 保育士の確保に向けた総合的取組

…(リンク先参照)厚生労働省プレスリリース平成25年度より

厚生労働省のプレスリリースでありつつ、まさしく保育士を「人<モノ」の扱いとして見ている素晴らしい資料。全く出す意味のない上っ面だけの問題提起資料。中を改善していくためには、の論点がほぼほぼ抜け落ちている。

                       

hoikushi-japan.sakura.ne.jp

箱もの=保育園の増設も必要なケースはありますが、それ以前に何故多くの保育士の資格を持っている人達が保育業界に入ってこないのか?
勿論他の職種への憧れや給料問題、人間関係など人が仕事をしていく上で必ず付きまとう問題はありますが、それ以上にこの業界は「人」or「ヒト」で成り立っている感情労働なので、ハード面(処遇)だけでなくソフト面も改善しないと根本的な解決は図れません。どこの業界も「ブラック」と言われる所はそういう所が遅れている所が多いですよね。飲食業界やバス業界なども同じような構造的問題を抱えていると思います。

このことを語り始めると多岐にわたってしまうので今回は最近ニュースになった浜松市の保育園の職員一斉退職の問題からちとアプローチ。

 なぜこの年度末でなく年末にこのような事態に陥ったのか。。。

主たる理由として「上司からのパワハラ

が今回の大きな要因になっているようですが、多くの保育園では上司からのパワハラのみならず同僚からや場合によっては部下からの逆パワハラも結構あるんですよ。

勿論うちもね。でもね、それでもそんなことにワーワー言うよりも普段の子ども達との保育がうっぷんを解決しているんですよ。これこそまさしく感情労働の賜物。

本当子ども達って天使だなあ、と。


でもそんなレベルを超える様な非人道的な行いもやっぱり積もり積もると今回の様な大問題に発展してしまうんですよね。職員が退職しても補充すればいいや、と安易に考えている経営サイドの何と多いこと。
そしてこのような大事になった時に必ず

 

「適切に個々に対応して行っていたのですがもう少し配慮が必要だったと思います」的な。。。

 

 もう完全自己保身の最たるコメントですよね。

もう少し配慮があればこうはなりませんって!

ここで働かれていた保育士さん達も本当悩み悩んでの結論だと思います。
そして一番とんだとばっちりを受けたのはここを利用している「保護者」達、でここで悪いのは勿論園の運営者なんですが、保育士さん達はどうなんでしょう?

保護者的にはこんな途中で一斉退職するなんて責任感のかけらもない、と仰る方もおられるかもしれませんね。
仕事で大事な子どもを預けていたのに年明けから預けることが出来ないなんていい迷惑!と怒るのもごもっとも。

なら3月末までだったらいいのでしょうか?

保育士だって自分の生活がかかっている訳ですから、そこは他の保護者と同じなんですよ。

 

保育士達は保護者の小間使いではないのです!!

 

結局は保護者も被害者ではあるけれど、そう言うリスクもやっぱり想定しておくことは必要な位に保育業界(だけではないでしょうが)は疲弊していることを理解しておく必要はあると思います。

 どちらかを立てればどちらかが立たず、、、今回の大事は保護者も保育者も被害者になってしまった最悪のケースとして自分達もしっかり考えていかなければならないと切に感じた出来事でした。

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 河川敷にあった藁を見つけてはコツコツせっせと運んでいくあどけない子ども。何でも子ども達は遊びに変えてしまう。こんな姿を見て保育士と言う仕事が嫌になる訳がない。。。

 

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